お菓子が型から外れない!意外な理由
『型離れがいい型はどれですか?』
『生地がくっつかない型はどれですか?』
おそらく今までお菓子型やパン型を販売してきて型に関する一番多い質問がこのご質問です。
シリコン加工やテフロン加工がされている型は加工がされていない型に比べると確かに型離れしやすくくっつきにくいのですが、中にはこんなお問合せも頂きます。
型離れに関して、一つずつ考えてみましょう。
1.『シリコン加工なのに型から外れない』
シリコン加工やテフロン加工の離型効果のあるお菓子型またはパン型を使われているのに生地が型から外れない・・・・と言うご質問です。
この場合に一番多い原因が、
加工がされているので型に油脂を塗っていない
と言う間違った使われ方をされることがとても多い。。。
他ショップさんの案内で
『油脂は不要(なくらいスルスルの型離れ)』
なんて案内をされているのを見て、一般の方は勘違いされることが多いです・・・。
シリコン加工やテフロン加工はあくまでも補助的な効果に過ぎません。
油脂と合わせて使うことで初めて本来の効果が発揮されますので
油脂は絶対使って下さい!
2.『油脂を塗ったのに外れない!』
シリコン加工で油脂も塗ったのに生地が型から外れない・・・。
このような場合は、油脂や加工よりも意外な原因があります。
それは・・・
生地がしっかり焼けていない
表面だけを見ると焼けているように見えてもお菓子型との接地面がまだ焼けていないことがあります。生地がしっかり焼けていないと、
例えば極端なお話で生焼けの場合はいくらシリコン加工で油脂を塗ったところで生地が型にくっつき外れません。
この現象になかなか気づいていない方が多いこと・・・。理由は、
今、お使いになられている型の場合はたまたま成功しているから。
型を新調したり他の材質の型に変えたときに、
『今までと同じ作り方なのに型から外れない・・・』
となって初めて気づける場合が多いです。
逆に焼成がしっかりできていれば加工がされていなくてもしっかり外せます。
以前、素人のスタッフが加工がされていないブリキのマフィン型で敷紙無しで焼いたのが下の画像。

見た目はともかく型にくっつくことなくしっかり外せました(業務用オーブン様様)。
このような場合は、まずは焼成の温度と時間を見直してみて下さい。
3.『あまり使っていないのに外れなくなった!』
これ、お菓子型あるあるです。これは明らかに使い方が間違っていることが原因です。主な間違った使い方とは・・・
- 油脂を塗っていない
- 水洗いし過ぎ
1.と同様に油脂を塗らないと加工の劣化がとても早まります。千代田金属さんや松永製作所さんの高価な型を使っても間違った使い方をするとその劣化は早まり効果もガクっと落ちてしまいます。
また、お菓子型は基本的に水洗いはおすすめしません。鉄素材が多いのでサビてしまうことが一つと水洗いをすることによって加工が取れてしまうからです。
油脂を塗って正しく、頻繁にご利用頂けば型の残った油脂がサビ予防と次回焼成時の型離れ効果になります。
まとめ
いかがだったでしょうか?お菓子型が外れない理由をもう一度まとめますと
- 油脂を塗っていない
- 生地がしっかり焼けていない
この2つがあげられます。油脂も塗って正しく使っているのに外れない場合は、お菓子型が原因ではなく
『生地がしっかり焼けていない』
ことが原因の場合がほとんどです。焼成の温度と時間を見直してみて下さい。
ワンポイントアドバイスとして、型に塗る油脂は固めのバターと強力粉がおすすめ。スプレーオイルだと型の底に油が溜まってしまいますが、バターだとまんべんなく塗り広げられますよ。