セルクル、パウンド型職人

私が馬嶋屋へ入社した6年前、お菓子作りの事など全く分からずたくさんのお菓子やケーキの名前を覚えるのに一苦労だった頃、唯一(と言っていいほど)知っていたお菓子の名前がパウンドケーキとクッキーでした。
おそらくこの記事を読んで頂いている方々もパウンドケーキには相当馴染みがあるハズ!?それほど生活に根付いているお菓子なのではないかな?と思っている今日この頃です。
今回は、プロのパティシエさんにも御用達の昔ながらの「パウンド型」とムース作りには欠かせない「セルクル型」を作って下さる職人さんの元へ工場見学へ伺った際のお話です。
今回の記事は、私が伺った際のレポート形式ではなく、
お話好きの会長さんの「これぞ職人!」と思わせる大切なお言葉を紹介したいと思います。
セルクル型、パウンド型作り職人さんのお言葉集

「これがないと作れない・・・。ホームセンターでは売っていないんだよ。だって、型を作るために道具自体も加工するのだから」
お菓子型作りのされる際にどんな道具を使用されているのかをお伺いした時の一言。馬嶋屋に常駐した木型職人も同じことをおっしゃられていました。本当の職人さんは目的を果たすための道具も作ってしまうのだそうです。

「型を作るための元型は、命そのもの」
焼成用のステンレストヨ型を作るためのご説明を頂いていた時の言葉。馬嶋屋では特注のお菓子型の相談もよく乗って頂いていて、過去に製作した元型はほとんどとって置いているとかいないとか・・・。

「これは見せちゃダメ!って、言っても使えるのは俺だけなんだけどね。」
お菓子型を作るため機械をご紹介頂いているときの言葉。


「ただ見積りと言われても簡単じゃないよ。見積りのためだけに図面を引いて、時には試作もする。」
お菓子型の特注依頼の相談をたくさんさせて頂いている工場さんのご苦労がこの一言に詰まっています。
さらにお伺いしていくと、手作り品の難しさとこれぞ職人!と思わせて頂けるようなお話をお聞かせ下さいました。


「1か所でもサイズを変更されれば、図面はすべて作り直しだよ。」
「他業種の工場でも作ることはできる。でも『売れる価格で作る』のが本当の職人」
「機械を持っているだけでもダメ、技術があるだけでもダメ。最後は経験と知恵(アイデア)」

この他にも紹介しきれないくらいのたくさんのお言葉を頂戴しました。お菓子型職人さんのプロ意識の高さを垣間見ることができました。
こうした、お菓子型職人さんの仕事を伝え皆さまのお菓子作りを支えるのが馬嶋屋の使命であることを改めて思い直す機会となりました。
職人さん、貴重なお時間を頂きありがとうございました。