2021/12/01
(動画有)シフォンケーキ型へら絞り職人
2019年 お菓子型工場の方と一緒に”へら絞り職人さん”の元を尋ねました。”へら絞り”と言うのは回転する金属の板に金属などでできた棒状の”ヘラ”と呼ばれる道具を押し当てて製型する技のことです。
今、この”へら絞り”職人さんの多くが高齢となり激減しています。
またのないこの機会に職人さんの元へ見学に伺いました。
全盛期はいつでしたか?
電気の傘や急須、やかんなども作られていたそうで需要のピークはもう40年も前とのこと。その後は徐々に需要が減り、お弟子さんも5~6人ほどいらしたそうですが今はお一人でひっそりとやられていました。
後継者はいらっしゃいますか?
かつてはいらしたその5~6名ほどの職人さんたちもこちらの工場でヘラ絞りの技術を取得し独立されたそうです。ただ、大量生産の時代に入り少しずつ需要が減り始めると度重なる不景気や物価の下落などで収益が上がらず職人さんも減っていってしまったそうです。
機械よりも早く精密
今はこのヘラ絞りの技術も職人さんが減り機械による生産が増えてきました。
機械での生産と言うと、早く大量にできるイメージがありますが、実はこのヘラ絞りの技術は熟練の職人さんの手絞りの方が圧倒的に効率がよく
- 機械絞りでは4~5分かかる作業を
- 機械のように精密な手絞りで1~2分程度で
絞りあげてしまう。見学に行った時もその見事な仕上がりとスピードに言葉を失いました。
作業されるときに心掛けていることは?
一見すると固い金属の板も熱や力を加えることによりわずかに伸び縮みします。ヘラに力をこめすぎると板が伸びてしまう。すると耐久性もなくなってしまう。板が伸びないようにする力加減が難しいのだそうです。
シフォンケーキ型の他にもアルミエンゼル型などを作って頂いていた職人さん。
見学に伺ったこの職人さんも2019年時点で御年75歳。ご病気もされるようになりもう間もなく引退されるとのことでこの記事をあげさせて頂くころには引退されているかもしれません。